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2018 4/5(木)ー 4/22(日)
AM11:00~PM7:00(最終日はPM 5:00まで) 休廊 月・火・水曜


石景ーラグナベルデと高浜を歩いて  矢作隆一
Stone viewー walk around Laguna Verde and Takahama YAHAGI Ryuichi

 




会期中催し
 
4/5 (木) PM5:00〜   アーティストトーク 

協力:メキシコベラクルス州立大学


矢作隆一
Ryuichi Yahagi


石はいつも私達の身直にあり、昔から道具として使われることもあれば、ときには石神として信仰の対象として祭られることもある。石には人の心を引きつける何かがあるのだろう。私も石に魅了された中の一人であり、河原や海岸でよく石を拾うことがある。みな同じように見える石も、じつに表情が豊かで、一つとして同じ形の石を見つけることは出来ない。また拾う場所によっても形・色・模様・重さ・肌触りが違うことがよく分かる。私はその無数の石の中から幾つか選び出し、石を素材にその石を模刻する。福島第一原発事故後、日本国内の原子力発電所を訪ねて周り、その周辺で石を採集して歩いた。今回展示する作品は以前より制作を続けている「模石」シリーズで、再稼働を始めた高浜原発や川内原発周辺で採集をした小石を、私の暮らすベラクルス州にあるメキシコ唯一のラグナベルデ原子力発電所付近で採集した石を素材に模刻をした作品を中心に展示をする。
  矢作隆一  


略歴
1967年川崎市生まれ。金沢美術工芸大学美術学科彫刻専攻を卒業後、1995年よりメキシコベラクルス州ハラパ市在住。
2010年メキシコ国立自治大学サンカルロス美術大学院都市芸術学科卒業。現在はベラクルス州立大学造形美術研究所に所属し、兼同大学准教授。主にメキシコと日本にて彫刻やインスタレーション等の制作発表を行っている他、両国の文化交流の企画、コーディネートも手がけている。美術家を志す以前に大阪あべの辻調理師専門学校を卒業し調理師として働いていた経歴も持ち、食材をテーマとした作品の制作やワークショップ等も行っている。

個展+プロジェクト
2017  「平和への願い」ベラクルス州立大学付属ハラパ人類学博物館(ベラクルス州、メキシコ)
  「お寺で死者の日」一乗谷浄善寺(福井)
2016 「合理的な敷居をまたぐための準備」Galería Arte Hoy(メキシコシティ、メキシコ)
2015 「グアダルーペを探せ」メキシコ州立テクスココ文化センター(メキシコ州、メキシコ)
2014 「模石」プラザギャラリー(東京)
2013 「模石」ベラクルス州立大学ラモン・アルバ・デ・ラ・カナル・ギャラリー(ベラクルス州、メシキコ)
2012 「瓦礫のじゅうたん」埼玉県立近代美術館(埼玉)
  「山本さんを探せ」金沢アートグミ(金沢)
2011  「伊藤さんを探せ」 文化フォーラム春日井(春日井)
2010 「ここからここへ」メキシコ国立自治大学ルイスニシザワギャラリーENAP(メキシコシティ、メキシコ)
2009 「グアダルーペの条件」IBMかわさき市民ギャラリー(川崎)
  「佐藤さんを探せ」鶴岡アートフォーラム(鶴岡)
2008 「グアダルーペを探せ」メキシコ国立写真美術館(イダルゴ州、メキシコ)
2007 「グアダルーペを探せ~存在の条件~」アルフレッドサルセ現代美術館(モレリア州、メキシコ)
2006 「鈴木さんを探せ」ICC+S-AIR(札幌)

 
グループ展
2017  「FFIELレオン国際写真フェスティバル」(グアナハト州、メキシコ)
  「我々は何者で何処へ行くのか」Casa de Asia美術館(ハバナ、キューバ)
2016 「12のメッセージ」+1art(大阪)
  「絶対的無機質展」プロモアルテギャラリー(東京)
2015 「Vistiendo la muerte: イヴ・サンローランへのオマージュ」 Cripta de la iglesia Saint- Merri(パリ、フランス)
  「PHOTO EYE 2015」(台北市、台湾)
  「竹田鎭三郎 メキシコに架けたアートの橋」岡本太郎美術館(川崎)
2014 「メキシコと日本 それぞれの視点 移民と文化変容」CAP Q2(神戸)
  「XI Bienal Monterrey FEMSA」モンテレーアートセンター(モンテレー、メキシコ)
2011 「クリスタルジャングル」メキシコ国立自治大学付属チョッポ美術館(メキシコシティ、メキシコ)





時間には石の時間と人間の時間がある。人間の寿命からすれば硬い石は永遠不変のように見える。何億年という時間を人間は実感することができない。だから石はいつもどこか神秘的な雰囲気を漂わせている。
矢作隆一は岸辺や路上でそんな石を拾って持ち帰る。それを別の場所で採集した石に模刻して、そっくり同じ石を作る。彼はそれを「模石」と言う。
メキシコの大学で教鞭をとる矢作が住んでいるベラクルス州には同国唯一のラグナベルデ原子力発電所がある。母国日本では稼働中の原発が40基でアメリカ・フランスに次いで保有数は世界第3位。矢作は日本へ帰国するたびに国内各地の原発を歩き、その近くで石を採集してきた。「石景」展は、再稼働した高浜原発周辺の石をラグナベルデ原発近くの石で模刻した「模石」作品、東日本大震災で被災したフクシマの写真を素材にした立体作品などから構成される。そこに居並ぶ寡黙な石たちは人類の時間を問うているのかもしれない。
+1art カワラギ  
            

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