/No.21


2017 11/2(木)ー 11/26(日)
休廊 月・火・水曜 AM11:00~PM7:00(最終日はPM 5:00まで)


音のケルン Cairn of sounds 今井祝雄 IMAI Norio

 




会期中催し
 
11/4 (土) PM4:00〜 (参加費無料)
 
対談 「おとなしのおと」 今井祝雄 x 三井知行(川口市立アートギャラリー・アトリア 学芸員)



メディアはメディア(媒体)として役割を終える時、その物質的側面が顕になるものなのだろう。レコードがCDに取って代わられた頃に、スクラッチなどDJによるレコードプレーヤー(ターンテーブル)の「演奏」が一般化しだしたことは偶然ではあるまい。
そして、今井祝雄はメディアの物質的側面を作品に召喚するのが得意な作家と言えるだろう。風景や形を映し出すスクリーンとしてのカンヴァス(絵画)が時代遅れになったように見えた時代、彼は白いカンヴァスをレリーフ状に加工し、(今風に言えば)壁にインスタレーションした作品でデビューしたのではなかったか。
しかし今井のそんな作品は、郷愁やリサイクルとは無縁のクールな手つきで作られている。現時点で「古くなりつつある」メディアを取り上げるのではなく、歴史や経緯に関係なく、メディアはインターネット世代の作家のように“時間横断的に”選ばれている。
今回発表される新作「音のケルン」は、SPレコードの破片を石のように用いた作品である。破片を石に見立てられるのは、厚く重く脆い(このことを憶えている人が今どれくらいいるだろうか?)SP盤なればこそであり、LP盤ではこの存在感は出ないのではないか。
一方、その作品が生まれるきっかけとなった1977年の未発表作品では、当時現役(?)のLPレコードが使われている。アイディアを最小限の作業で形にしたようなシンプルな作品は、ゼロ年代の作家の作と言っても通用するだろう。
40年の歳月を隔てて産み出された2つの「レコード作品」。この間の時の流れは今井祝雄にとってどのような意味を持つのか? そして我々の意識にどのような響きを残すのか? 興味は尽きない。
三井知行 
 




今井祝雄
IMAI Norio
  
1977年に制作するも未発表だった『4つの音』という作品が倉庫で見つかった。CDなどなかった当時、4人の友人より提供してもらったLPレコード盤を十字にカットし、それぞれを並べ替えた4枚からなる。埃を払ってアトリエに掛けていたところ、それを見た某氏から作品の素材にと、半世紀以上も放置されていたという大量のSPレコlドを届けていただいた。一部が欠けたりの損傷で再生は困難であるが、そこには、かつて誰彼が聴いたであろう数々の音が詰まっているはずだ。私はそのいくつかを割り、かけらの数々を積み重ねたり、ターンテーブルの上で回転させたりして遊んだ。いずれも実際の音を聴くことは叶わないが、それを眺めながら架空の音を想像してみることはおもしろい。
  今井祝雄

略 歴

1946年、大阪市生まれ。もと具体美術協会会員。1966年、第10回シェル美術賞一等賞受賞。以来、内外の展覧会に出品。新大阪駅前や関西文化学術研究都市ほかにパブリックアートを制作、大阪市都市環境アメニティ表彰。著書に『白からはじまる―私の美術ノート』(ブレーンセンター)、『デイリーポートレイト‐四半世紀・記憶の日記』(スタジオワープ)、『オン・ザ・テーブル‐パフォーマンス・イン・ブック』(樹花舎)、『NORIO IMAI』(Axel and May Vervoordt 財団)、『タイムコレクション』(水声社)がある。


発表歴
1964  今井祝雄個展 - 17歳の証言(ヌーヌ画廊/大阪)
  第14回具体美術展(高島屋/大阪)
1965 具体美術協会会員(1972年解散まで全展出品)
1966 第10回シェル美術賞展1等賞(東京、京都)
  空間から環境へ(松屋/東京)
  ヌル1966(オレッツ国際画廊/デン・ハーグ;オランダ)
1967 第5回パリ青年ビエンナーレ(パリ市美術館)
  第1回草月実験映画祭(草月会館ホール/東京)
1968 現代の空間’68-光と環境(そごう/神戸)
  蛍光菊―現代日本美術展(I.C.A./ロンドン)
1970 万国博美術展(万国博美術館/大阪)
1972 3人の心臓音による街頭イベント(御堂筋/大阪*倉貫徹+村岡三郎と)
  映像表現’72(京都市美術館)
1973 〈音器〉および〈飛翔音符〉への試み(ギャラリーぺテ/大阪)
1975 The Party(ギャラリー16;京都*植松奎二+村岡三郎+〈マン・レイ〉と)
1976 映像表現’76(KBSレーザリアムセンター/京都)
  日本の現代作家展 - デュシャンを透して…(関西日仏学館/京都=グループ展、ギャラリー・ペテ/大阪=個展)
1979 毎日の自写像『デイリーポートレイト』開始
1982 第4回シドニービエンナーレ(オーストラリア)
  新大阪駅前に『タイムストーンズ400』制作
1983 現代美術による写真(東京国立近代美術館および京都国立近代美術館)
  今井祝雄-矩形の時間(ギャルリーキタノサーカス/神戸)
1985 現代のセルフポートレート(埼玉県立近代美術館)
1986 日蘭ビデオ4人展(大阪府立現代美術センター)
1988 日本先端科技芸術展(台湾省立美術館)
1989 河原温と同時代の美術1966-1989(ICA名古屋)
1993 具体Ⅲ 1965-1972(芦屋市立美術博物館)
  MUSIC展(ジーベック・ホワイエ/神戸)
  屋外サウンド彫刻『原田の音石』(豊中市立老人福祉センター/大阪*藤本由紀夫と)
1994 時間/美術 -20世紀美術における時間の表現(滋賀県立近代美術館)
  屋外サウンド彫刻『耳石』(関西文化学術研究都市・光台*藤本由紀夫と)
  戦後日本の前衛美術(横浜美術館、グッゲンハイム美術館、サンフランシスコ近代美術館を巡回)
1996 BACK & FORTH 今井祝雄 -白の空間1964-1966(ギャラリー16/京都)
1997 <私>美術のすすめ‐何故WATAKUSHIは描かれたか(板橋区立美術館/東京)
2000 震災と美術 - 9・17から生まれたもの(兵庫県立近代美術館)
2001 京阪電鉄モニュメント『ここから、ここへ』(天満橋駅ホーム/大阪)
2002 今井祝雄 - とき曼陀羅(スタジオ・アーカ/大阪)
2003 今井祝雄個展 - 分身の術(LADSギャラリー/大阪)
2004 結成50周年記念「具体」回顧展(兵庫県立美術館)
  写真=単立と連立1(カスヤの森現代美術館/横須賀)
2005 今井祝雄 - デイリーポートレイトの四半世紀(夢創館/神戸)
2006 マイ・ルール - わたし時間の集積(ボーダレス・アートギャラリーNO-MA/近江八幡;滋賀)
  ラディカル・コミュニケーション:日本のビデオアート1968-1988(ゲティセンター/ロサンジェルス)
2009 今井祝雄 - 白のうちそと(楓ギャラリー/大阪)
  ヴァイタル・シグナル - 日米初期ビデオアート
 (ジャパンソサエティ/ニューヨーク、ボストン美術館、横浜市美術館、国立国際美術館ほか~2010)
2010 かたちのちから - 高度成長期の美術篇(大阪市立近代美術館(仮)心斎橋展示室)
2011 今井祝雄 - フレーム・イン(CAS/大阪)
  Nul=0. - 国際的文脈におけるオランダの前衛 1961-1966(スキーダム市立美術館/オランダ)
  Masked PortraitⅡ-When Vibrations Become Forms(マリアン・ボエスキー・ギャラリー/ニューヨーク)
2012 今井祝雄“具体大学”のころ(成安造形大学/大津;滋賀)
  今井祝雄 - フレームの彼方(ギャラリーパルク/京都)
  「具体」ニッポンの前衛 18年の軌跡(国立新美術館/東京)
  再生―メード・イン・ジャパン(KUNST ARZT/京都)
  今井祝雄 - Retorospective 17~22才(アートコートギャラリー/大阪)
  水のメディア芸術祭/Aqua Passage(しが県民芸術創造館;草津)
2013 具体:素晴らしい遊び場所(グッゲンハイム美術館/ニューヨーク)
  今井祝雄 - 白のイヴェント(Axel Vervoordt ギャラリー/アントワープ;ベルギー)
2014 今井祝雄 - 白の遠近(ギャラリー・リチャード/ニューヨーク)
  今井祝雄 - 白からはじまる(ユミコチバアソシエイツ/東京)
  今井祝雄Retrospective - 影像と映像(アートコートギャラリー/大阪)
2015 今井祝雄 - タイム・コレクション(ユミコチバアソシエイツ/東京)
  PROPORTIO(フォルチュニー美術館/ベニス)
  Re:play 1972/2015 -「映像表現'72」展、再演(東京国立近代美術館)
2016 Performing for the Camera(テートモダン/ロンドン)、
  白のイヴェント×映像1966-2016(ユミコチバアソシエイツ/東京)
  ライヴ・パフォーマンスとしての映像(東京都庭園美術館)
  今井祝雄Retrospective - 方形の時間(アートコートギャラリー/大阪)
  今井祝雄 - Clezio,Koi,Article 9(ギャラリーあしやシューレ/兵庫)
  今井祝雄 - クレジオ、耕衣、九条(+1アート/大阪)
2017 Norio Imai: Film and Video Works(BOZAR/ブリュッセル;ベルギー)
  ロッテルダム国際映画祭(Gallery Joey Ramone/ロッテルダム;オランダ)
  イメージフォーラム・フェスティバル2017(東京、京都、福岡、名古屋)
  Japanese conceptual photography from the 70's(Galerie Christophe Gaillard+Galerie 1900-2000/パリ)
  今井祝雄 - 余白の起源(OZASA―KYOTO)
  Intuition〈直観〉(フォルチュニー美術館/ベニス、〜11/26)





                      


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