アンベールは日本で出会ったとても愛らしい日常生活や美しい光景をフィルムに収めた。日本は、私が実際に生まれ、ベルリンに引っ越してくるまで人生の大半を過ごしてきた場所である。このフィルムを見て、複雑な気持ちになった。私の国、まさに私がいた街角を映像のなかに目にして、心をぎゅっと掴まれたのみならず、混乱もしたのだ。ここは本当に私がいたところだろうかという気持ちで、くらくらした。そうなのだろうか? 答えは、イエスとノーだ。この旅のエッセイ的フィルムは彼のアート作品として制作されたものである。もし、各シーンの間に色のみのシーンがなかったら、未だにくらくらと自分の気持ちにもがいていたことだろう。
|