+1art
 
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no.47
2020 4/01(水)ー 4/18(土)


Your Scent My Colour
わたしの色彩、あなたのかほり
エルヴェ・アンベール、高 野 麻 紀 Hervé Humbert, Maki Takano








エルヴェ・アンベール
Hervé Humbert





はじめて+1artの画廊スペースに入ったとき、日本の美学について書かれた1冊の本を思い出した。
1933年の随筆『陰翳礼讃』で谷崎潤一郎は、色と光の密接な関連を念頭に置いていたことは明らかなのだが、まさに同様のことを私も考えていたのである。実際のところ、暗闇の中で見えてくる色とは何だろうか。あるいは日の光の下での色とは? 色彩はどのように処理、加工されるのだろうか。デジタル化された色、印刷、あるいはペイントされた色、それらはすべて同じ色なのだろうか。共感覚(シナスタジア)の人が音に色を感知するのと同様に、色には香りもあるのではないだろうか。

エルヴェ・アンベール


略歴
彫刻、デザイン、インテリア、そして建築ーそれぞれの境界線とそれらが交差する領域に、10年以上にわたり関心を注いできた。思うに、芸術作品は日常品の中の慣れ親しんだ対象であるという考えは否定できない。この仮説に基づき、グローバルでオープンな作品制作を続けている。

1994年ブザンソン高等美術学校(ERBA)卒業、1994/1995年マルセイユ地中海高等美術学校博士課程。2005-2020年までベルリン在住。





高野 麻紀
Maki Takano




アンベールは日本で出会ったとても愛らしい日常生活や美しい光景をフィルムに収めた。日本は、私が実際に生まれ、ベルリンに引っ越してくるまで人生の大半を過ごしてきた場所である。このフィルムを見て、複雑な気持ちになった。私の国、まさに私がいた街角を映像のなかに目にして、心をぎゅっと掴まれたのみならず、混乱もしたのだ。ここは本当に私がいたところだろうかという気持ちで、くらくらした。そうなのだろうか? 答えは、イエスとノーだ。この旅のエッセイ的フィルムは彼のアート作品として制作されたものである。もし、各シーンの間に色のみのシーンがなかったら、未だにくらくらと自分の気持ちにもがいていたことだろう。

高野 麻紀


略歴
絵画から始まり、その後、インスタレーションを多く発表してきた。対象物を見つけ出し、それを理解するため、あるいはそこに到達するために、対象物との関係性、距離を考察し、そして認知および解釈を試みる。2006年からドローイングやインスタレーションなどを含む“ハピネス‐偶然とコントロール”という作品シリーズを展開。近年は、言葉や言語による表現を扱った作品も制作している。

1989年多摩美術大学油絵科卒業、1990年多摩美術大学大学院研究生。2006年まで横浜在住、主に東京で発表。2006年よりベルリン在住。




この展覧会は、高野麻紀がエルヴェ・アンベールを招待する形で開催されます。
高野は、アンベールが日本長期滞在中に撮影し、それらを編集したフィルム"Patterns In A Chromatic Field (a Travelogue) 2019“の中で、彼が各シーンをつなげるために挿入した色のみのカットに注目しました。ここから、この展覧会は始まります。