ARCHIVE no.54
Möbius loop
谷内春子
2021
宇宙の庭
455×375mm 2020 紙本着彩
(撮影:麥生田兵吾)
1986 京都市生まれ
2015 京都市立芸術大学大学院博士(後期)課程美術研究科絵画専攻日本画領域修了
2016-2019 嵯峨美術短期大学美術学科専任講師
2019- 京都市立芸術大学日本画専任講師
個展
2020 「思考する風景」(ギャラリー恵風/京都)
2018 「〈山〉について」(ギャラリー恵風/京都)
2016 「点景」(ギャラリー恵風/京都)
2013 「うたたねの眺め」(数寄和・数寄和大津/東京・滋賀)
2012 「草原」(ギャラリー恵風/京都)
主なグループ展
2020 「透明」3人展(2kwgallery/大津)
2020 「日本画・絵画論」3人展、企画:潮江宏三(Art Apace-MEISEI/京都)
2020 「見えない世界」マララ基金チャリティーオークション(+1art/大阪)
2019 「火星のはかりかた」3人展(ポルタギャラリー華/京都)
2019 京都日本画新展in二条城 (二条城 二の丸御殿台所・御清所)
2019 「小さいわたしたち」マララ基金チャリティーオークション(+1art/大阪)
2019 シェル美術賞 入選 (国立新美術館/東京
2018 Kyoto Art for Tomorrowー 京都府新鋭選抜展(京都文化博物館/京都)(同21年)
2018 「SAGA TRIALOGUE」 三人展(嵯峨美術大学アートスペース嵯峨)
2017 「内接・外接-soft touch」二人展(+1art/大阪)
2017 「ART 町家 STAY 」ーハレとケー(庵・筋屋町町家/京都)
2016 琳派FOREVERー京都府新鋭選抜展NHK京都放送局長賞(京都文化博物館/京都)
2016 「水と音の眺め」(世木の里とまり木/京都府南丹市)
2015 第2回続「京都日本画新展」(同16年、19年、21年)
2015 第8回清洲市はるひ絵画トリエンナーレ入選
2014 天若湖アートプロジェクト水の杜展(京都府南丹市)(同15年)
2012 第30回上野の森美術館大賞展入選
2012 碧い石見の芸術祭 美術大学選抜日本画展(同13)
2012 第38回京都春季創画展入選(以降毎年)
2012 第39回創画展入選(以降毎年)
2012 ギャラリーへ行こう2012」数寄和賞(数寄和/東京・滋賀)
プロジェクト
2017 大覚寺「蓮華院」天井絵制作 参加
2016 お披露目会「水と音の眺め」開催(世木の里とまり木/南丹市)
2015~2016 天若湖アートプロジェクト襖絵プロジェクトにて襖絵制作
受賞
2016 琳派FOREVER新鋭選抜展NHK京都放送局長賞
2014 京都春季創画展春季展賞
2012 「ギャラリーへ行こう2012」数寄和賞
2010 京都銀行「美術研究支援制度」選定 作品買上
谷内春子は自作を語るとき「景」という言葉を使います。彼女の言う「景」は思考の中に生まれる抽象化 された景色です。認識というフィルターを通して得られた外界のイメージを集め再構成することで、谷内は 新たな風景を生みだします。そうして生まれた作品の前に立つと、目眩のような感覚に襲われることがあり ます。計算された線と色の配置によって三次元の空間が立ち上がり、遙か上空から地上の景色を見ているような感覚。膠彩画の魅力と共にご高覧いただければ幸いです。
+1art
©️ +1 art
谷内 春子 TANIUCHI Haruko
『作庭記』の記述にある「石を立てる」ことから見立てを始めるその造形法をてがかりに、画面の中に様々な風景を構成する「景」をテーマに制作をしてきた。身近なものを風景へと見立てる「景」は、螺旋階段から見える景色のように、どれもが異なるようで繋がっている。景の思考をめぐる感覚はそのようなものに近い。それは「今、ここ」の見えているものから「ここではないどこか」へと希望を見出そうとする思考ともいえるかもしれない。今の状況から地続きで違う曲面へと向かうその思考の回廊を「メビウスの輪」に擬えることにした。