岡本奈香子OKAMOTO Nakako

作家コメント
本作品は、ペルーのアマゾン奥地のイキトスで受けた伝統儀式を通して得た体験をもとに制作した。暗い場内でシャーマンの歌声が響くなか、目を開けると無数の光や幾何学模様が渦巻くのが見えた。さらに目を凝らすと、その複雑な模様が突然、ピンクのアナコンダとなって私の方へ向かってきた。
イキトスの伝統的な装飾デザインは、儀式で見たアナコンダの模様そのものであった。私が見たものは夢ではなく、リアリズムであり、人類の記憶とも言えるのではないか。アマゾンに伝わる何千年もの知恵と精神性は、伝統衣装や歌に宿り、アナコンダという象徴を通して、広大な宇宙の深奥へと導いた。

自己紹介
過去の特異な意識変容体験をきっかけに、創造性について探求を始める。脳のメカニズムと創造性の関係に興味を持ち、これまで脳磁気刺激や感覚遮断実験などを通して、美術、脳神経科学、文化人類学といった多様な分野を横断しながら、その根源を探り続けてきた。

(c)+1art