北村侑紀佳KITAMURA Yukika
作家コメント
私の手は人より小さい。
この手で衣服を洗い、食事を作り、日々を整え、今日を生きている。
そして片手間に握ったスマホで、今日も遠くの悲惨な現実を知る。
画面の向こうの痛みをなぞり、あまりの出来事に目を覆った、同じ手で、私は絵を描く。
私が確かに関われるのは、この掌の中で続く安全でささやかな生活だけだ。
このパネルは私の手で握ることのできる大きさ。
その限られた範囲が、世界と私の間に、細い接点を生み出している。
自己紹介
2000年 滋賀県生まれ
2023年 成安造形大学 芸術学部芸術学科 美術領域洋画コース 卒業
2025年 嵯峨美術大学大学院 芸術研究科 修了
私にとって描くことは、世界に触れ得る範囲を測り直す行為です。


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