ARCHIVE no.39
日本ポーランド国交樹立100周年記念企画
DOOR OPENED FOR MOONLIGHT-間
ミコワイ・ポリンスキ・ダニエル・コニウシュ
Mikołaj Poliński, Daniel Koniusz
2019
DM back side ▶︎
トークイベント
10/05(土) PM4〜
ポーランドの現代美術
speaker
加須屋明子
(京都市立芸術大学教授、日本ポーランド交流展2019 セレブレーション キュレター)
参加費 500円(1ドリンク付)
要予約 +1art(gal@plus1art.jp) 定員20名
ミコワイ・ポリンスキ
Mikołaj Poliński
DOOR OPENED FOR MOONLIGHT(月光が入る扉)- 間
日本語の単語「間 ma」は、直訳すると、中間的な存在、無用の空間、中断、一時停止を意味します。 良くないイメージを持つ言葉のように感じますが、「間 ma」は日本文化の重要な美的概念の一つだと言えます。「間」の観念は西洋の言語にはありません。 日本語以外で伝えるには、喩えや比喩を用いるのが最も正確なように思えます。
アイザック・スターンは音楽作品の構造について次のように書いています。 『音符の間の小さな断片 ー 構成された沈黙 … この小さな断片のために日本語には「間」という言葉があり、この「間」が全体を形作るのだ』と。 視覚芸術においても同様に、全体性に意味を与えるのは、配置された物体間の空間、または作品に構造を与えている光だといえます。
また、「間」という漢字の分析にも興味深いところがあります。「間」は “門 door” と “日 sun”(以前は“月 moon”)という2つの要素から成っており、“日” は “月光” となって扉から入ります。 展覧会のタイトルの《DOOR OPENED FOR MOONLIGHT - 間》は、このような漢字の構成要素に注目して考えたものです。
本展の制作にあたり、+1artの展示スペースをダニエル・コニウシュと共に考え、私たちは作品と作品の間の空間に焦点を当てました。 私たちの作品は、ファウンド・オブジェ、音、絵画およびドローイングで構成されています。全体を構成するこれら一つ一つの作品は、物理的にも心理的にも独特の間隔をうみ、空間全体に「中間的存在 in-between」の領域を創造しようとするものです。 私たちの「中間的存在」の体験を、日本語「間」にどの程度関連づけることができるか?異なる文化と言語の接点を探ることによって、別な「無用の空間」の制作を試みたいと思います。
ミコワイ・ポリンスキ
1977 ポーランド、ポズナン市生まれ
2002 ドイツのDAAD奨学金を得てベルリン芸術大学大学院修了
2007 視覚芸術と音楽の関係性により博士学位取得
2011 Dr.habilitation取得
絵画やドローイングによる視覚芸術と音楽や音の関係性に関連したインスタレーションを多数展開。現在、ポズナン芸術大学教授。ポズナンとベルリンを拠点 に活動。
近年の主な展覧会
2019「19 Shades of Grey」ムザレスカギャラリー(ポズナン)
2018「5 movements」+1art(大阪)
2015「Utopia Pavilion - Ise」(伊勢現代美術館、2015)
2015「Alternative Views(Haus am Lützowplatz)ベルリン)
2012「Beyond Corrupted Eye」Zachetaワルシャワ国立美術館
ダニエル・コニウシュ
Daniel Koniusz
1985年生まれ、ポズナン在住。
2012年 ポズナン美術アカデミー卒業。同大学博士学位取得。 主にオーディオビジュアル作品を制作。現在、ポズナン芸術大学メディアアート部長。 同大学にて音響スタジオ「オーディオ・スフィア」を設立。音、建築、写真、彫刻など様々なメディアを使用し、コンテンポラリー・ナレーション、対人コミュニケーションの形式と言語、意味論や経済的なコミュニケーションのパターンに焦点を当てたインスタレーションを発表。
主な展覧会
2019 「日本ポーランド国交樹立100周年ポーランド芸術祭 in Japan セレブレーション」京都芸術センター、二条城
2018「帯電防止」ポズナン国立博物館(ポーランド)
2018「ポーランドの若手作家」展 クラクフ現代美術館(ポーランド)
2016「音の沈黙」ヴロツワフ現代美術館
2015「オルタナティブ・ビュー」(Haus.am Lützowplatz、ベルリン)
他、国内外の展覧会に参加。
suported by
S suported by Adam Mickiewicz Institute
Polish Cultural Institute in Tokyo
©️ +1 art