ARCHIVE no.40
点 空
加藤 加奈衛・田口 伸子
2019
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加藤 可奈衛
KATO Kanae
菜の花の種、黒色をした直径2ミリにもみたない小さな1粒の種から、数十数百の花が咲き、数百数千の種を実らせる。自然の力。見えるもの見えないもの。見えなかったものが見えてくる。無数の小さな種は、無限のエネルギーのカプセル。粘土の表面の小さなつぶつぶの痕跡は、廻り廻ってまた芽を出した痕跡かもしれない。
加藤 可奈衛
1966 愛知県生まれ
1991 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了(彫刻専攻)
1994 同博士課程単位取得満期退学
2000 ベルリン芸術大学在学(~01)、同大学を中心に活動
ポツダム、チュルゴ(ハンガリー)にて現地制作(シンポジウム)に参加
現在、大阪教育大学教育学部教授
イエロー・ライン・プロジェクト(Y・L・P)代表
粘土を主素材として人型を再現する作品制作を行っていたころ、型取りの作業から複製や反復していくことに興味が向き、その後「お皿」を使った作品へ展開した。 根底には人型や自然物の形態に感心があり、主に粘土(素焼き焼成など)による作品を制作。 近年は人と環境を意識したプロジェクト(Y・L・P)を立ち上げ、大地の恵みを頂き、菜の花や綿の栽培を協働で行い、 自然の恵み(素材)をどのように取り入れていくのか、五感を通じて模索している。
田口 伸子
TAGUCHI Shinko
ストゥッコルチド画法は、3大フレスコ画(buon fresco)の一つで、1日の制作時間7時間という制約の中で、漆喰に水と蜜蝋で溶いた顔料で描いた画面を鏝で磨く事で、艶と予想出来ない変化を生みます。この画法により既知から未知に導かれる事を楽しんでいます。その未知とは、空を感じながら、自然と精神との間に希望を見いだす事の様に思えています。
Constellation(コンステレーション)は星座という意味ですが、ユング心理学では、偶然の出来事が互いに関連している事を意味します。異なる風景の断片を並べる事で、新たな風景を見ようとしています。
田口 伸子
1983-1985 Fine arts study・Art Foundation Course at the City Lit Art Department in London, England
1986-1988 Bゼミ Schooling system
1995-1997 イタリア国立ペルージア外国人大学(イタリア語修得)
フィレンツェにて、Simona Bruni に師事しフレスコ画を学ぶ
1997年よりストゥッコルチド画(フレスコ画)の個展開催
1997 Gallery 16(京都)
1998 天野画廊(大阪)
1999 ギャラリエ アンドウ(東京)
2001 ギャラリー イデア(東京)
2012 Gallery H.O.T(2013-2016 大阪)
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