のの字の他を切りおとす
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No.28
田中 広幸 TANAKA Hiroyuki
[作家コメント]
言葉は、記された瞬間に書き手の統御から逃れます。突き放して眺めれば、それはインクによる「かたち」の連なりに他なりません。「意識」は、あくまでもその連なりに何らかの意味を流し込もうとするでしょう。一方で「無意識」は、その「かたち」を時には絵画の次元にまで移行させて連想の糸を手繰り寄せ、文脈から遠く離れたイメージを理性の下深くの見えない世界に沈潜させることでしょう。
[自己紹介]
言葉は意味伝達の媒体である一方で、「ひびき」「かたち」というある種の物質性をもっています。この一見至極当然な言葉の属性に興味を惹かれて、古書を素材としたオブジェやインスタレーションを制作しています。
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