Corpse Reviver - A.K ver. “The Box Man”
雁皮紙に文庫本、段ボール、線香によるドローイング
*箱の中には、文庫本のページを繋ぎ、線香でドローイングされた作品が折りたたんで納められています(240x250cm)
No.51
山本 直樹 YAMAMOTO Naoki
[作家コメント]
古本屋で虫食いにやられた本を読む。
肝心なところの文字が食べられてしまい、それは伏せ字の様で、無い頭を捻りながらも、ふと別のことを考える。「食べた虫(シバンムシというらしい)は文字を読めるのだろうか?」。これは「M理論」と呼ばれる、理論物理学での11次元のお話に繋がる。それによると小さいものほど高い次元を認識しやすく、11次元はミクロの空間(素粒子の世界)に存在するらしい。転じて、これは故安部公房氏の小説「箱男」の箱男を見る人と箱から見える人 -つまり、この関係は奇しくも現在の分断された「見えない世界」の有り様と極めて相似である。黄泉の国から見た現在の世界を、安部氏はどのように認識するだろうか。
[自己紹介]
「感覚」「社会」「記憶」をキーワードに、自身を取り巻く社会状況を砂糖、飴、チョコレートなどの「味覚媒体」や「香り、匂い」の物質を使って空間に
展開、表現する作品制作をしています。
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