ARCHIVE no.55

踊る心/考える耳

二人展  今井祝雄・中川裕貴

2021 03/17(水)ー04/03(土)  PM 12〜7(最終日 〜PM5) 日・月・火 休廊


踊る心、考える耳

踊る心》今井祝雄 1973 スピーカー(直径20cm)+心臓音  

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●展示作品の一部を ONLINE SHOP でも販売しています



関連イベントなど 展覧会ダイジェスト映像




関連イベント


【ゲリラ・ライヴ】  

  • チェロ演奏 中川裕貴
    下記日時でギャラリーに於て実施予定です(各回30分程度)

    ・3月17日(水) 18:30~ 終了しました

    ・3月26日(金) 18:30~ 終了しました

    ・4月03日(土) 16:30~
     終了しました

 




【トーク & パフォーマンス】  3 /20(土・祝)PM 2〜 終了しました

  • パフォーマンス『おとのはディスタンス』
    今井祝雄+中川裕貴

  • トーク『こころ踊る音』
    川崎弘二* x 今井祝雄・中川裕貴

  • ライブ 中川裕貴



 |会場| 高津宮「富亭」 (大阪市中央区高津1-1-29 www.kouzu.or.jp
     *富亭は本殿の左(西)手前にあります 境内map >>
 |参加費| 1000円
 |要予約| +1art(gal@plus1art.jp)

map to KOZUJINNJYA

      



*川崎弘二

1970年大阪生まれ。2006年に「日本の電子音楽」、09年に同書の増補改訂版(以上 愛育社)、11年に「黛敏郎の電子音楽」、12年に「篠原眞の電子音楽」、13年に「日本の電子音楽 続 インタビュー編」(以上 engine books)を上梓。CD「NHK 現代の音楽 アーカイブシリーズ」(ナクソス・ジャパン)における黛敏郎、湯浅譲二、松平頼暁、林光、石井眞木、一柳慧、実験工房の解説をそれぞれ執筆(2011-13)。2011年から雑誌「アルテス」にて「武満徹の電子音楽」を連載(2015まで)。2014年にNHK Eテレ「スコラ 坂本龍一 音楽の学校 電子音楽編」に小沼純一、三輪眞弘と出演。2017年に芦屋市立美術博物館にて開催の「小杉武久 音楽のピクニック」展に企画協力、図録編集にて参加。2018年「武満徹の電子音楽」(アルテスパブリッシン)を上梓。相愛大学音楽学部非常勤講師。




  

IMAI Norio

今井 祝雄 IMAI Norio

仰向けに置かれたむき出しのスピーカー。 真っ黒なコーンペーパーの上で、[IMAI]と記された小さな紙片が躍っている。 ブルブルと震えてはひっくりかえり、ときにピョーンと跳び上がりスピーカー から弾き出される。音源は私の心臓の鼓動である。1973年の拙作《踊る心》と、チェリスト中川裕貴による初のサウンド・インスタレーションがギャラリー空間で協奏する。 ゆうに半世紀を隔てた二つの音が醸す共時的な“演奏”に耳を澄ませてみたい。



IMAI Norio

記憶の陰影ーかたつむり
2020 /910x606x120mm /キャンバス、アクリル、綿布、基底材



Biography

1946年大阪市生まれ。美術家。大阪市立工芸高校在学中から吉原治良に師事し、具体美術協会に参加。1966年、第10回シェル美術賞一等賞受賞。以来、内外の展覧会に出品多数。1970年代から写真やビデオ、サウンドによる作品を制作。1979年から毎日の自写像作品を継続。主著に『白からはじまる-私の美術ノート』、『デイリーポートレイト-四半世紀・記憶の日記』『オン・ザ・テーブル―パフォーマンス・イン・ブック』ほか、作品集に『タイムコレクション』(水声社)、『NORIO IMAI』(Axel and May Vervoordt Foundation)がある。

過去の展覧会

1965 具体美術協会会員(1972年解散まで全展出品)

2019 日本美術サウンドアーカイヴ―今井祝雄《Two Heartbeats of Mine》1976年(+1art)
2019 個展―行為する映像(アートコートギャラリー/大阪)
2019 波―周波数(FRISEキュンストラーハウス/ハンブルグ~cas/大阪)
2019 IAFT 19/20 in Osaka(クリエイティブセンター大阪)
2019 in number, new wold/四海の数(芦屋市立美術博物館)
2018 「具体、絵画の空間と時間」(スーラージュ美術館/フランス)
2018 個展―物質的恍惚(アクセル・アンド・ヴェルヴォ-ルト・ギャラリー/アントワープ)
2017 ロッテルダム国際映画祭(オランダ)、イメージフォーラム・フェスティバル2017、
2017 個展―余白の起源(OZASA KYOTO)、個展-音のケルン(+1art/大阪)
2016 performing for the camera(テートモダン/ロンドン)
2015 個展—タイム・コレクション(ユミコチバアソシエイツ/東京)
2015 PROPORTIO (フォルチュニー美術館/ベニス)
2015 〈Re: play 1972/2015―「映像表現'72」展、再演〉(東京国立近代美術館)
2014 個展―白の遠近(ギャラリー・リチャード/ニューヨーク)
2013 具体:素晴らしい遊び場所(グッゲンハイム美術館/ニュ–ヨーク)
2013 個展―オン・ザ・ピアノ(ギャラリーあしやシューレ/兵庫)
2012 「具体」ニッポンの前衛18年の軌跡、国立新美術館/東京
2012 A VISUAL ESSAY ON GUTAI AT 32 EAST 69 STREET(Hauser & Wirth/ニューヨーク)
2011 nul=0―国際的文脈におけるオランダの前衛1961-1966(スキーダム市立美術館/オランダ)
2009 ヴァイタル・シグナル―日米初期ビデオアート (ジャパンソサエティ/ニューヨーク、ボストン美術館、ロサンジェルス・カウンティー美術館ほか~2010)
2006 ラディカル・コミュニケーション:日本のビデオアート1968-1988」(ゲティセンター/ロサンジェルス)
1994 時間/美術―20世紀美術における時間の表現(滋賀県立近代美術館)
1994 結成50周年記念「具体」回顧展(兵庫県立美術館)
1988 日本先端科技芸術展(台湾省立美術館)
1982 第4回シドニービエンナーレ(オーストラリア)
1982 現代美術による写真(東京国立近代美術館~京都国立近代美術館)
1976 映像表現‘76(KBSレーザリアムセンタ-/京都、《6/8拍子》)
1975 The Party (ギャラリー16/京都、+植松奎二+村岡三郎+マン・レイ)
1973 “音器”及び“飛翔音符”への試み(ギャラリー・ペテ/大阪《踊る心》)
1972 3人の心臓音による街頭イベント(御堂筋/大阪、+倉貫徹+村岡三郎)
1970 万国博美術展(万国博美術館/大阪)
1967 第5回パリ青年ビエンナーレ(パリ市美術館)
1966 第10回シェル美術賞展1等賞(東京~京都)、空間から環境へ(松屋/東京)




NAKAGAWA Yuki

中川 裕貴 NAKAGAWA Yuki

今井さんの「踊る心」と共に、私がかつて使用した「壊れたチェロ」による自動演奏機構(チェロのボディに様々なパーツが取り付けられ、それらが駆動することでチェロが人の身体を介さず発音する仕掛け)を美術家・白石晃一さん監修のもと、稼働させます。この展覧会において、私は駆動するチェロとその機構/音、そして心臓音、揺れる“IMAI”の紙片のことを視聴(みき)きしながら、それらがひとつの空間である距離感を持って“踊れる”よう、広い意味での「作曲」に取り組もうとしています。この状況に“ききみみ”を立て、考えながら。
1973年の心臓音を、使用を終えかたちを変えた楽器によって「変奏」 させる。その試みを会場で体験していただければ幸いです。



NAKAGAWA Yuki

Broken cello, Automatic play featuring Heartbeat
2020 850x500x230mm mixed media  (photo by Yoshikazu Inoue)

Biography

1986年三重県松阪市出身。 同志社大学工学部情報システムデザイン卒業。
京都市立芸術大学大学院音楽研究科修了(音楽学)
演奏と演出をチェロ/電気/適当な録音を使用して行う。演奏行為とそれによって 現れる音のあいだに在る「距離」を測ること、また「演奏をしながら自身がそこ/ここ でどのように存在するか」を問うこと(またそれへの頓智)をテーマとする。この矛 盾した作業(動きながら自分で自分の距離を測る)が発する音楽への襲来と、音楽 からの襲来について、演奏という行為を通じ考えている。 https://www.yukinakagawa.info/

過去の主な企画・出演

2021 中川裕貴+米子匡司「Dissimilation」/旧矢掛本陣石井家住宅(岡山県)|矢掛町主催イベント「ワーケーションリゾート・備中矢掛」内の展覧会「宿場町現代アート回廊」において、米子匡司との共作によるサウンドインスタレーションを発表(2021年1月8日-17日)
2020 烏丸ストロークロック「まほろばの景2020」/伊丹AIホール(兵庫)、東京芸術劇場シアターイースト(東京)|舞台音楽、演奏を担当
2020 中川裕貴「アウト、セーフ、フレーム」/会場:ロームシアター京都サウスホール|作曲、演奏、演出による新作コンサート。ロームシアター京都×京都芸術センター U35 創造支援プログラム“KIPPU”採択事業(2020年7月31日-8月2日)
2019 KAC Performing Arts Program 2018 / Music#1 中川裕貴「ここでひくことについて」/京都芸術センター|京都芸術センター全体を使用した3つのプログラムを三日間に亘り上演
2018 烏丸ストロークロック「祝祝日」/せんだい演劇工房10-BOX(仙台)、 広島市東区民文化センターホール(広島)|舞台音楽、演奏を担当
2018 烏丸ストロークロック「まほろばの景」/ロームシアター京都(京都) 東京芸術劇場シアターイースト(東京)|舞台音楽、演奏を担当
2017 中川裕貴、バンド「対蹠地」/京都芸術センター講堂 /KAC Co-programDにおいて企画、上演
2017 ライブ「《水中エンジン》記録音楽をつくる」/green & garden(京都)|「國府 理 水中エンジン redux」において國府理氏が「水中エンジン」(1号機、2号機)を動かしていた際の音や声の録音、「水中エンジン再制作プロジェクト」(3号機、4号機)の過程で生じた音や声の録音を用い、 一つの音楽作品を制作
2016 ソロパフォーマンス公演「後/戯」/UrBANGUILD(京都)|作・演出・演奏
2015 山城大督個展「HUMAN EMOTIONS/ヒューマン・エモーションズ」 /ARTZONE(京都)|映像作品内でのサウンドパフォーマンス




音楽家ジョン・ケージは無音の状態を経験するために、無響室に入った。 外界の音をすべて遮断する部屋の中で、音は聞こえないはずなのに、彼はかすかに二つの音を聞いた。それは、一つは「神経系が働いている音」もう一つは「血液が流れる音」と後にわかった、という。「神経系が働いている音」は神経細胞が発する電気信号?「血液が流れる音」は心臓の鼓動する音のことだろうか? どちらも身体の内部で生じる音であり、耳を澄ませても普通は聞こえない。ケージは 無響室でそれを「聞いた」というより、音楽家のこころで「感じた」のだろう。
このたび心臓音をテーマに美術家と音楽家による二人展を開催することになった。未知の経験をしようとしたケージ (思いがけず)所与である身体を発見したが、本展では年齢もジャンルも違う二人が所与の再構築に挑む。こころ踊らずにはいられない。

+1art カワラギ