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2026 11/04(水)ー11/14(土)
PM 12-7(最終日 〜PM5)
OPEN 水・木・金・土 曜


石橋志郎による「枠と粒子」を開催します。
石橋の描く色面ののトーンは、日本画素材との対話から生まれます。岩絵具や胡粉などの粒子を幾重にも重ねた画面に差し込む光は、その内部で複雑に屈折し、あるいは乱反射することで、やわらかく空間を包み込む光の場を創出します。
+1artでは2023年の「Silence」以来3年ぶりとなる石橋の新作を秋のやわらかな光とともに体感してください。
+1art
日本画の解像度・・・・・平田剛志(美術批評)
日本画は、「枠と粒子」でできている。枠とは、絵画のフレームだ
けではなく、伝統や道具、技法、画材など、さまざまな「枠」がある。
一方、粒子とは、日本画材に用いる岩絵具や胡粉の粉末であり、画面に反射する光も想起するだろう。
石橋志郎はこれまで、日本画顔料の粒子がもつ物質感に着目し、絵具を幾層も塗り重ねることで、光を内包するような絵画空間を探究してきた。雪や雲のように浮遊する白いかたちは、さまざまな連想や思考へと誘い、眼差しは画面をたゆたう。本展では
粗さの異なる岩絵具が用いられる。一方、念紙で下絵を転写し
た線をわずかに残し、白い色面にはその輪郭を意識させるトリ
ムマークのような仕掛けを加えるという。かたちを捉える線、
かたちを規定する枠、粒子の集積から立ち現れるかたち。「枠と
粒子」は互いの境界を重ね合わせながら、日本画を成り立たせる枠組みを問い直す。
では、なぜ石橋はこれほど「粒子」にこだわるのだろうか。その
理由として、日本画制作における微細なディテールの選択がある。 日本画の絵具は、岩絵具や胡粉などの微細な「粒子」からなる。
岩絵具には粒の粗さによって複数の番手(種類)があり、同じ顔料でも粒の粗細や水、膠の量、塗り重ね、乾燥によってその発色
や質感、光の反射は変化する。つまり、日本画では、画家は色を
選ぶだけでなく、粒度をも選んでいるのだ。 日本画の画面は、無数の粒子の集積としてできている。
だが、すべての日本画の画面がそのような選択と工程を経るわけではない。石橋の絵画には、緻密な下絵の作成から幾層にも絵具を重ねていくまで、細かな判断を要する工程が多くある。その微細な観察と選択の積み重ねが、画面の解像度を高めていく。 悩ましいのは、その「枠と粒子」に込められた広大な情報量が、作
品を前にして初めて見えてくることだ。
石橋志郎
ISHIBASHI Shro
日本画の材料は、私にとって未だに難解である。
絵具は独自の特性を持っていて、こちらの思うようには動
いてくれない。腕力でねじ伏せて絵具を支配するやり方
もあるのだろうけれど、できればいきいきと絵具が輝い
てくれるような関わり方をしていきたいと思う。
扱いにくさという制限の「枠」の中でこそ生まれる、本当の自由な表現とは何か。制限があってこそ、工夫が生まれ、そ
の工夫からあたらしい素材の扱いと独自の表現が生まれていく。素材の制限の「枠」と、現代へとつづく文化の「枠」、自己の性質の「枠」という、三つの「枠」の交わるところに、きっとあたらしいビジョンが浮かび上がってくる。 展開は
容易ではないけれど、追求していきたいと思う。
1981 大阪府豊中市出身
2005 京都市立芸術大学美術学部日本画専攻卒業
2007 同大学大学院修士課程美術研究科絵画専攻修了
個展
2026「Vision」 藍画廊(東京)
2024「Around the light」 高島屋大阪Next、高島屋京都
2023「Silence」 +1art(大阪)
2023「Floating」 カホ・ギャラリー(京都)
2022「Atmosphere」 ギャラリーあしやシューレ(兵庫)
受賞歴
2021 令和3年度京都市芸術新人賞
2021「京都日本画新展2021」 大賞
雲肌麻紙、膠、顔料、墨 2026 photo by Takeru Koroda
©️ +1 art