NEXT
影の中の楽園ーデレク・ジャーマンの庭
Eden in the Shadow of Dungeness-Derek Jarman's Garden
奥宮誠次・池田啓子 | 協力:藤本由紀夫
10/29(水)ー11/15(土)
PM 12-7
OPEN 水・木・金・土 曜(最終日 PM〜5)
《Derek Jarman》OKUMIYA Seiji /Giclee print, baryta 279x356mm 1989
トークイベント 11/01(土) PM5〜
登壇者 奥宮誠次、池田啓子、藤本由紀夫
会場 +1art
参加費 500円
*定員20名 予約優先(+1art▶︎gal@plus1art.jp)
メールにはフルネーム、携帯電話番号をご記入下さい
デレク・ジャーマン(1942~94)は映画監督、舞台デザイナー、画家、園芸家として20世紀のアートシーンに独自の地位を確立したアーティストです。彼はエイズを宣告された後1986年に偶然通りかかったイギリス南東部のダンジネス(Dungeness)が気に入り住み始めました。 デレクは1994年にエイズ合併症で死去するまでの数年をこのダンジネスのコテージに暮らし、病と闘いながら庭をつくり映像作品を制作しました。
当時イギリスを拠点に活動していた写真家、奥宮誠次は、デレクが『プロスペクト・コテージ』と名付けて住んだダンジネスのコテージを度々訪れ、彼の晩年の4年間を撮影しました。 奥宮の写真は、デレクの死後、ロンドンのバービカンセンターで催されるデレク・ジャーマン回顧展に出展される予定でしたが、奥宮がその準備のために貸与したネガ、ポジ等の全てが紛失するという不運に見舞われました。
本展は、奥宮誠次の手元に残されたデレク・ジャーマンの庭の写真と、池田啓子によるインスタレーションで空間を構成します。
また、デレク・ジャーマンに深い関心を寄せる藤本由紀夫氏の協力により、この空間に音を加えていただきました。
11/1(土)は、藤本由紀夫氏をゲストにお迎えして、奥宮誠次、池田啓子によるトークイベントを開催します。 デレクがエイズを宣告された後1986年から暮らしたダンジネスと庭について、数々のエピソードをうかがえるまたとない機会となるでしょう。
+1art
奥宮誠次
OKUMIYA Seiji
それは1989年のこと。 私は、初めてプロスペクトコテージを訪ねた時のことを今でも鮮明に覚えている。 デレクに会えることにワクワクし、そして彼の風変わりな庭に魅了された。 1986年、彼はHIVに罹ったことをきっかけにダンジネスに住むようになった。 彼はこの荒廃した地に庭を造ることは挑戦だと言う。 海岸の石や貝殻、流木、死に向かっている物を集めて、アートオブジェとして復活させ、楽園を造ろうとしていたのだ。 彼はある日「できるだけ早く描きたいんだ。 ボクにはもうあまり時間がないからね」と。 画筆は使わず手の平に絵の具をとり、その色彩が指から直接キャンバスに。 私は夢中でシャッターを切り続けた。
写真家。高知県生まれ。1986年に渡英し、ロンドンを拠点に主にヨーロッパで活動。
欧州各地を巡り、さまざまな人々のポートレート、世界の動物園の撮影を手がける。
2012年、再び東京に活動の拠点を移す。Anchovy Studio設立。
ポートレート、旅、ランドスケープ、ライフスタイルを中心に活動。
主な著書に「世界の動物園」「原発ガーデン」「風が笑えば」(俵万智との共著)
などがある。
池田啓子
IKEDA Keiko
今回の展覧会では境界を主に置き、鏡・言葉を素材に制作した。 鏡による作品は、境界線である窓の内側に置かれた鏡が外の景色を映し出し、内と外の境界をぼかし曖昧な空間を作る。 また、空間に配置されたオーガンジーの布の上に印字された52文字。 この文字はダンジネスの景色、彼の庭の植物、映画《ブルー》のなかでの呟きなど、意味のない言葉である。 そして空間内に吊るされた布は境界線を曖昧にする役割を担っている。
香川県生まれ。 大阪在住。 70年代より大阪を拠点に活動。 2000年より、光を主題に、鏡、アクリルなど様々な素材を用いたインスタレーションを国内外で数多く発表している。近年の展覧会に 「“Sound of Square” from 1982」(ギャラリーヤマグチクンストバウ/大阪)、「light crossingー光差」(+1art/大阪)、 LIGHT on ART (二人展 ギャラリーヤマグチクンストバウ/大阪)などがある
more
展覧会(2010〜)
2022 “Sound of Square” from 1982 ギャラリーヤマグチクンストバウ(大阪)
2022 soft hope +1art(大阪)
2022 堀尾昭子 池田啓子 展 ギャラリーヤマグチクンストバウ(大阪)
2019 light crossing /光差 +1art(大阪)
2022 ART ON BOOK 山口藝廊(台湾)
2022 LIGHT on ART / 池田啓子・丁建中 ギャラリーヤマグチクンストバウ(大阪)
2017 The artists with Gallery Yamaguchi Kunst-bau 山口藝廊(台湾)
2017 色の相互作用 ギャラリーヤマグチクンストバウ(大阪)
2016 light moving / 光移 +1art(大阪)
2011 light work-etamal ギャラリーヤマグチクンストバウ(大阪)
2010 LIGHT WORK 信濃橋画廊5(大阪)
藤本由紀夫
FUJIMOTO Yukio
1950年、愛知県生まれ。1975年、大阪芸術大学音楽学科卒業
70年代よりエレクトロニクスを利用したパフォーマンス、インスタレーション、80年代半ばよりサウンドオブジェの制作を行う。音を形で表現した作品や、空間を利用した独自のテクノロジーアートを発表。「here & there」「separation & conjunction」「revolution & gravity」「silent & listen」 といったキーワードで、日常の何気ない物事に注目し、「聞く」という体験を通して、「音」という存在の不思議を表出し、新たな認識へと開いていくような活動も行っている。 2001年と2007年に、第49回および第52回ヴェネツィア・ビエンナーレに出展。
《Candlelight》奥宮誠次 /ジークレープリント、パライタ紙、279x356mm 1989
《untitled》池田啓子 /鏡 420x3250x3mm 2008
©️ +1 art