一つの石
砂糖、文庫本、紙粘土、アクリル絵具
No.48
山本直樹 YAMAMOTO Naoki
[作家コメント]
この石は石である。(略)私がこれをたっとび愛するのは、これがいつかあれやこれやになりうるだろうからではなく、ずっと前からそして 常にいっさいであるからだ。ーこれが石であり、今日いま私に石として現れているがゆえにこそ、私はこれを愛し、その条紋やくぼみのすべて の中に、黄色の中に、灰色の中に、硬さの中に、たたけばおのずと発するひびきの中に、その表面の乾湿の度合いの中に、価値と意味を見る。 ヘルマン・ヘッセ「シッダールタ」新潮文庫 高橋健二訳より
今回、シッダールタが地面から拾い上げた、この一つの石をつくろうと思う。
[自己紹介]
感覚、社会、記憶。自分を取り巻く「いま」の社会状況を俯瞰/受容して、砂糖、飴、チョコレートなどの味覚媒体や 香り、匂いの物質を使って空間に展開/表現し、記憶に刻み込む。
(c)+ 1 art