ARCHIVE no.68

琥珀の刻|山本 直樹

2022 10/12(水)ー10/29(土)   


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YAMAMOTO NAOIKI

山本 直樹   YAMAMOTO Naoki

今回の展示では、蜂蜜と人工光を使って抑圧空間を表現する。
黄砂が来ると、風景全体が琥珀色の写真の様になり、その中で私は浮遊する感覚に襲われる。 コロナ禍、ウクライナ情勢、異常気象など現在の世界情勢は、これらに覆われた感覚に似ている。 過去の記憶を鑑みても足元はおぼつかなく、未来も見えない、極めて不穏な状況。 はたして出口はみつかるのだろうか?
社会性昆虫であるミツバチの食料「蜂蜜」と、統一されたオレンジ色光「単色光」を素材に、閉塞した空間を造る。その中でかすかな甘さを味わいながら、私たちの「いま」について考えたい。

制作協力
餅匠しづく、株式会社地域環境計画 Nature Clips 、Honey Woods 中島 拓


1963年 新潟県生まれ
感覚、社会、記憶をテーマに、日々浮かんでは消えていく社会状況を砂糖、飴、チョコレートなどの味覚媒体や香り、匂いの物質を使ってインスタレーションやドローイングなどの作品を制作/発表する。






山本直樹は角砂糖で東京、大阪などの都市を築くインスタレーションを、時事的な問題を織り交ぜながら発表してきました。 そこに見られるのは、現代の世界情勢に対する山本の危機意識です。
熄まない戦争、悪化する災害、迷走する政治、解決の出口は全く見えず、未来は見透せない。それは黄砂で視界不良になり琥珀色に覆われた景色のようだと。

本展では、ナトリウムランプと蜂蜜を使って、ギャラリー内に琥珀色の空間をつくりだします。 その単色空間の中で、ひとつのお菓子を観客は受け取ります。琥珀色に満たされた単色空間の中で味わう微かな甘みから、あなたは何を想起するでしょうか?

+1art カワラギ