ARCHIVE no.77
Silence | 石橋志郎
2023 10/18(水)ー10/29(日)
石橋志郎の作品は、画材との対話から生まれます。 和紙の上に岩絵具や胡粉で描かれた無数の層は刻々とうつろう光と呼応し、その様を空間全体に映し出します。ギャラリーの天窓や大きな窓から入る秋の淡い光とともに石橋志郎の新作をお楽しみいただければ幸いです。
尚、本展は通常とは異なり、10/22および10/29の日曜日も開廊します。
+1art
Silence
平田剛志(美術批評)
光や雲を見るようだ。石橋志郎の白と灰色の絵画は、画面に吸い込まれるような広がりと奥行きある静かな画面が特徴だ。その理由は、画材である天然の鉱物や貝殻を砕いた岩絵具や胡粉のもつ「自然」の性質にある。顔料は、種類や和紙、温度や湿度、空気、描画の工程によって色味や見え方が変わる。顔料は生きた自然素材であり、絵画は環境的な存在なのだ。
本展のタイトル「Silence」で思い浮かぶのは、『4分33秒』など、音楽に自然音や環境音という概念を導入したジョン・ケージである。ケージは環境や空間にある音を通じて、Silenceの豊かさ、音の現前性や偶然性、聴覚の認識を広げた。
一方、石橋の絵画はジョン・ケージの「サイレンス」やブライアン・イーノが提唱したアンビエント・ミュージックにも通じるような環境や自然を含んだ絵画経験をもたらす。絵画の色や光は場所の天候や時間、視点によって変容する。鑑賞者は空間に響く微細な音に耳を傾けるように、空間に響く絵画の色や光の現象を見るだろう。それは絵画や顔料の探究というだけではない。画像や映像が溢れた現代において、生きている絵画と出会うその場限りの出来事でもあるのだ。
石橋 志郎 ISHIBASHI Shiro
1981 大阪府豊中市出身
2005 京都市立芸術大学美術学部日本画専攻卒業
2007 同大学大学院修士課程美術研究科絵画専攻修了
個展
2023「Floating」 カホ・ギャラリー(京都)
2022「Atmosphere」 ギャラリーあしやシューレ(兵庫)
2021「灰色と光」 +1art(大阪)
2019「絵画と輝度」 ギャラリーあしやシューレ(兵庫)
2019「灰色と光」 カホ・ギャラリー(京都)
2018「空間、光」 ギャラリー恵風(京都)
受賞歴
2022「Kyoto Art for Tomorrow 新鋭選抜展」朝日新聞社賞
2021 令和3年度京都市芸術新人賞
2021「京都日本画新展 2021」大賞
2014「第1回 続・京都 日本画新展」優秀賞
2013 トーキョーワンダーウォール賞
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主な企画展・グループ展
2023
「D-art, ART 2023」大丸東京店
「PASS」八坂茶閑(京都)
2022
「D-art, ART」大丸神戸店・大丸京都店
向日市制施行50周年記念 旧上田家住宅アートギャラリー展」旧上田家住宅(京都)
「ART OSAKA 2022」大阪市中央公会堂
「Study:大阪関西国際アートフェア」グランフロント大阪
「京都日本画新展 受賞者三人展 -石橋志郎・池上真紀・楊喩淇-」高島屋京都店
「Kyoto Art for Tomorrow 2022 -京都府新鋭選抜展–」京都文化博物館
「ベリーマキコ・石橋志郎 ふたりの視点 Their point of view from KYOTO」治市大三島美術館(愛媛)
2021
「京都日本画新展2021」美術館「えき」KYOTO(京都)
2019-2014
「京都市立芸術大学×ホテルグランヴィア大阪 アートワークスプロジェクト」ホテルグランヴィア大阪
2019
「ART OSAKA 2019」ホテルグランヴィア大阪
「京都日本画新展in二条城-100人の画家 嵯峨野線を旅して-」二条城二の丸御殿台所・御清所
「藝文京展EX つなぐ」京都芸術センター
2018-12「尖展」京都市美術館
2018
「京都府新鋭選抜展2018–Kyoto Art for Tomorrow-」京都文化博物館
2017
「第7回 トリエンナーレ豊橋 星野眞吾賞展” / 豊橋市美術博物館(愛知)
2017-2014「京都市立芸術大学×ホテルグランヴィア大阪 アートワークスプロジェクト 2017-2018」ホテルグランヴィア大阪
2016
「第1回 堂島リバーアワード2016」堂島リバーフォーラム(大阪)
「第9回 菅楯彦大賞展」倉吉博物館 (鳥取)、京都文化博物館 (京都)
「第34回 上野の森美術館大賞展」上野の森美術館(東京)、京都文化博物館
「第2回 藝文京展 現代の平面 〜ひかりとかたち〜」京都芸術センター
2015
「佐藤国際文化育英財団第24回奨学生美術展 招待出品」佐藤美術館(
東京)
「超京都artkyoto 2015」京都文化博物館
2014「京都府美術工芸新鋭展〜京都国際現代芸術祭2015への道〜」京都文化博物館館
「第1回 続・京都 日本画新展」美術館「えき」KYOTO
2013
「トーキョーワンダーウォール公募2013入選作品展」東京都現代美術館
「京都美術ビエンナーレ 京都府美術工芸新鋭選抜展」京都文化博物館
2006
「佐藤国際文化育英財団第15回奨学生美術展」佐藤美術館(東京)
©️ +1 art