ARCHIVE no.73
プラスプラスプロジェクトvol.2
Second Stage
安藤由佳子
2023
+1artでは本年度より新たな企画「プラスプラス*」を始めました。これは、音を素材にしたり、音をイメージした作品を制作する若手作家を支援するシリーズ企画です。初年度の2023年は4人(4組)のアーティストが登場、本展はその第二回目です。
想定外の事態に揺れる、この激動の時代にあって、表現行為はさらに多様になるでしょう。想定外の「作品がこれから次々に生まれる予感がします。ギャラリー空間がその起点となることを期待します。
(*「プラスプラス¡plas,plas!」は拍手音を表すスペイン語のオノマトペ。)
+1art
クロストーク
『話すことをSecond Stageで試みる』
3/18(土) PM4時〜
井上明彦(美術家)X 安藤由佳子
*インスタレーション空間を会場とする二人のアーティストによるトーク
*参加費無料
安藤 由佳子
ANDO Yukako
私は日常の様々なエピソードを通して、内的世界と外的世界の関係性を探究し、根源的な人間の生への営みや、社会の在り方への疑問をインスタレーション、オブジェクト、アクション、映像などを用いて投げかけています。 今回は、ここ数年揺れ動く世界情勢や私を取り巻く環境から生まれた感情をもとに、ゲームの舞台のような体験型インスタレーションを制作します。《Second Stage》と題し、リアリティーを感じるための身体、リアルとフィクションの交錯などに着目し、先の見えない不安定な時代を楽しく乗り越えていく方法を模索できればと思います。
安藤由佳子
1972年、大阪生まれ。
1994年京都精華大学を卒業、1994-2001年 国立デュッセルドルフ芸術アカデミーに在籍し、2000年 マクダレーナ・イェテロバよりマイスターシューラー取得、2001年 国立デュッセルドルフ芸術アカデミーを卒業。
ドイツ、ヨーロッパを中心に個展・グループ展を開催。2013年文化庁新進芸術家海外研修を機にアメリカに移住し、活動拠点を広げる。2021年より京都市立芸術大学彫刻専攻准教授
主な受賞歴
2015 ドイツ・フィンランド・アーティスト・エクスチェンジ(AIR:タンペレ)
2014 Visiting Artist Program, 18thストリート・アートセンター(AIR:サンタモニカ)
2013 文化庁新進芸術家海外研修制度
2011 コンペティション、野外彫刻"ラインガッセ 934 – ベートベンの住居1776-1785"、1等(ボン、ドイツ)
2011 65回ベルギッシァー芸術賞(ゾーリンゲン、ドイツ)
2009 ドイツ・クロアチア・アーティスト・エクスチェンジ(AIR:ザグレブ)
2005-06 ビルヘルム・レーンブリュック・フェローシップ(デュイスブルグ、ドイツ)
2003 メンヒェングラッドバッハ市アトリエフェローシップ(メンヒェングラッドバッハ、ドイツ)
2002 "Chilufim / Transfer" (AIR:ヘルテェリア、イスラエル)
2000 ペーター・メアテス・フェローシップ (ボン、ドイツ)
主な個展
2021 “Open fence” ラウム・ヒュア・ラウム、デュッセルドルフ
2019 “Open fence” コモンウェルス・アンド・カウンシル、ロサンゼルス
2016 “Early Bird/Night Owl” マティアス・エアントケス・ギャラリー、デュッセルドルフ
2015 “A little bird told me.” コモンウェルス・アンド・カウンシル、ロサンゼルス
2015 “Light & Sight” エミール・ギャラリースタジオ、タンペレ
2014 “Priority Required” 18thストリート・アートセンター、サンタモニカ
2012 “Präzision und Veränderungsmöglichkeiten” 野外彫刻、ボン
2009 “between YOU & ME” ギャラリーAŽ、ザグレブ
2005 “From the steam age” アプタイベルグ美術館、メンヒェングラッドバッハ
主なグループ展
2021 “友達と” クンストハレ、デュッセルドルフ
2017 “Mülheim/Ruhr und die 1970er Jahre” ミュルハイム・アン・デア・ルール美術館
2015 “OpenART2015” パブリックアートビエンナーレ、オレブロ
2014 “日常/オフレコ“ 神奈川芸術劇場(神奈川県民ホール)
2014 "Hans in Luck – Art & Capital" ビルヘルム・レーンブリュック美術館、デュイスブルグ
2013 “Approach to realities” オルガン・ハウス、重慶
2013 “Open call” オロモウツ美術館、オロモウツ
2011 “65. Bergische Kunstausstellung” ゾーリンゲン美術館、ゾーリンゲン
2011 “VOCA展・現代美術の展望 新しい平面の作家たち” 上野の森美術館、東京
2010 “Range” 国際交流基金ケルン日本文化会館、ケルン
www.yukakoando.com
安藤由佳子は1994年の渡独以来ドイツ・アメリカで活動を続け、近年帰国しました。海外での生活が長かったので、日本での生活は戸惑うことや不条理に感じることもあるようです。その経験が、立ちはだかる壁で構成された今回の作品《Second Stage》を制作する動機の一つになりました。
《SecondStage》は、圧倒的ではあるけれど排他的ではなく親近感を覚える作品です。条理、不条理を超えて存在を肯定している感じといえば良いでしょうか。
この不条理な世界でアーティストができることは?という問いに対する一つの回答を安藤由佳子はつくりました。
なお、3/18には安藤由佳子と井上明彦氏とのクロストークを+1artで行います。今回、作品が大きいので、普通のトークではなくパフォーマンスに近いことになるかも?
+1art カワラギ