ARCHIVE no.84

プラスプラスプロジェクトvol.5
作曲+空間造形
overlap 

山根明季子 + 野口ちとせ

2024 5/29(水)ー6/15(土)   



     

◼️本展用に制作されたマルチプル&映像作品をONLINE SHOPでも販売しています。



+1artでは 昨年度より新たな企画「プラスプラス*」をスタートしました。 これは、音を素材にしたり、音をイメージした作品を制作する若手作家を支援するシリーズ企画です。 想定外の事態に揺れる、この激動の時代にあって、表現行為はさらに多様になり想定外の作品がこれから次々に生まれる予感がします。 本プロジェクトは ギャラリー空間がその起点となることを期待するものです。 プラスプラスプロジュクトの第5回目となる本展は、作曲家と美術家のコラボレーションによる音と空間造形のインスタレーションをご覧いただきます。

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作曲家、山根明季子は物質、空間、サブカルチャー、ゲーム、デジタル表現から受けた影響を、音に変換する作品制作を行ってきました。 《Overlap》と題した本展では、大量生産と成長を迫られる消費社会下での音と音の重なりに着目しました。 この過剰な音の重なりがドーパミンを誘発させていると山根は言います。 会場に配置した8つのスピーカーから複数のビート(リズムパターン)を同時再生し、ビートが重なるサウンドインスタレーションを行います。 また、音の飽和と重なりに焦点を置いたテキストスコア《状態》は、本展用にマルチプルとして制作されたカードを展示します。 野口ちとせは、音をテーマにした独自のインスタレーションや、赤い巨大鉛筆を増殖させるプロジェクトを通じて所有という行為について、自身への問いかけを続けてきました。 本展では、山根のテキストスコアの「空間をピンクにする」を実践します。 また、本展で展示される山根のスコアマルチプルのプロデュースを担当しました。 二人の作家が捉えた《Overlap》の表現は、コラボレーションによってさらなる重なりを生むことでしょう。 また、会期中に行われるJunya HiranoによるDJ と 野営地によるパフォーマンスはいずれも、山根明季子が本展に因んでプロデュースしたプログラムです。 こちらも必見です。

(*「プラスプラス ¡plas, plas!」は拍手音を表す スペイン語のオノマトペ。)
+1art


展覧会について



会期中催し


 ライブ

終了しました。
|日時| 6 月1 日(土) PM5ー6     
|出演| Junya Hirano(environment 0g/remodel) DJ
|料金| ¥2000
|要メール予約| ▶︎+1art (gal@plus1art.jp )定員15名



 クロジングイベント

|日 時| 6 月15 日(土) PM 4~5
|出 演| 野営地 (パフォーマンス集団)
|会 場| +1art
|参加費| 500円(予約不要)




AKIKO YAMANE

山根明季子
Akiko Yamane

振動と振動が重なること。
コンサートホールで聴かれる音楽は、他の音を雑音として排除・遮断してきた。かと思うと、集中して聴かれることを想定して作られた人為的な音楽同士が、密度の高い都市空間の中で意図せず重なり合っている状態に、よく出会う。 自然環境となった人工物。 音は空間に浸透して見えない重なりを編んでいく。
高度消費社会の中で走り続けなければならないこと。 より多く生産したり成長し続けることが要求される仕組みから生まれる、意図されない過剰な重なりの網目。





1982年大阪生まれ。 京都市立芸術大学作曲専攻修了。 西洋芸術音楽の文脈より活動を開始。 フルオーケストラ、器楽独奏から各種メディアのための作品まで制作を続ける。 肌感覚を通して資本主義下での過剰さ、痛み、可愛さなどを扱い、作品はこれまでにワルシャワの秋、ムジカノヴァヘルシンキ、N響Music Tomorrowなど国内外で上演されている。

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2005-2007年:京都市立芸術大学大学院 修士課程 作曲専攻修了
2005-2006年:ブレーメン芸術大学 派遣留学
2001-2005年:京都市立芸術大学 作曲専攻卒業

活動略歴
2024 両国アートフェスティバル(東京)
2024 東京・春・音楽祭(東京)
2023 Pop & Games(フランス)
2023 Musica nova Helsinki(フィンランド)
2023 mumyo「ゴシック・アンド・ロリータ」(東京)
2022 C×C Vol.3 山根明季子×ジョン・ケージ(神奈川)
2022 国立劇場(東京)
2021 Frauen im Schatten(ドイツ)
2020 サントリーホールサマーフェスティバル(東京)
2018 ワルシャワの秋(ポーランド)
2018 東京現音計画#10(東京)
2016 アルスムジカ音楽祭(ベルギー)
2016 雅楽、東京楽所(神奈川県立音楽堂)
2012 サントリーサマーフェスティバル(東京)
2012 MFJ音楽祭(福島/ニューヨーク/ワシントン)
2011 個展「音の造形」(京都芸術センター)
2010 NHK交響楽団 Music Tomorrow(東京)
2009 いずみシンフォニエッタ大阪 第22回定期演奏会(大阪)
2008 読売日本交響楽団 第471回定期演奏会(東京)

賞歴
2010年 第20回芥川作曲賞
2006年 第75回日本音楽コンクール第1位、明治安田賞、増沢賞
2004年 明治安田クオリティオブライフ奨学生





CHITOSE NOGUCHI

野口ちとせ
Chitose Noguchi

生まれた瞬間に消えていく音は、私たちを絶えず魅了してきた。 目に見える物体と違い、音という現象にはどこからどこまでという明確な境界がないからかもしれない。
私のインスタレーション「0verlap」は、山根明季子さんのテキストスコア「状態 No.10 空間をピンクにする」を光で表現したものだ。 光、映像、そして山根明季子テキストスコアのボックスセット、空間に配置したこれらの作品はすべて、透明シートにプリントしたピンクの濃淡を重ねることを想定している。 音も色も繋がり重なることでイメージを喚起する。 ゆっくり重なりながら絶えず変化するピンクの空間が、スピーカーから流れる複数のBEATとさらに重なり、始まりも終わりもなくoverlapされていくように。





大阪生まれ。 1990年初個展、以来国内外での展覧会多数(米、仏、韓国、ハンガリー)。 『音・空・観』と題した造形やインスタレーションを展開し、近年は作品を媒体に生活空間を共有するプロジェクトを行っている。 2015年から開始した巨大な鉛筆のオブジェ《マララの鉛筆 For Malalas》をシンボルとしたマララプロジェクトでは、高知西南の町と連携し、高さ2~3Mの赤い鉛筆80本余りを公道沿いや道の駅、廃校、民家に立てた。 途上国の女子教育を支援する赤い鉛筆は、持続可能な世界の実現を目指し、辺地でいまも増殖している。


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ARCHIVES Chitose Noguchi at +1art

INOUE AKIHIKO

2016 11/03-29(no.12)
惑 星 E Planet E 

こだまの遠近法

2015 4/02-19(no.01)
こだまの遠近法(二人展)




  同時開催 6/05-15 ▶︎